10月の最新情報、まだ間に合う!産業用蓄電池の補助金情報、おさらい! オンサイト/オフサイトPPAのメリット・デメリット、エネルギー危機に揺れる欧州各国


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 まだ間に合う!産業用蓄電池の補助金情報

 おさらい! オンサイト/オフサイトPPAのメリット・デメリット

 エネルギー危機に揺れる欧州各国 


まだ間に合う!産業用蓄電池の補助金情報



電気代の削減、BCP(事業継続計画)、再生可能エネルギー電力の有効活用などの目的で、蓄電池の設置を検討する法人は増えているでしょう。ただ、年々導入費用が下がってきているものの、まだ高いと感じて導入に二の足を踏む企業は少なくないはず。そこで、今回は蓄電池の購入時に活用できる補助金を二つご紹介します。いずれも、「蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業費補助金」内の実証試験に参加することで受け取ることができます。申し込み締め切りは2022年12月23日(12時必着)。


▶ 再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業


一つ目は、「再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業(再エネ等導入事業)」です。これは、出力50㎾以上の太陽光発電設備や蓄電池などを対象とする補助金。太陽光発電設備は、FITやFIPの適用を受けたものであってはならず、蓄電池は、工事費を含めた導入費用の合計が1kWhあたり19万円以下のものが補助金の拠出の対象となります。


交付条件は、すでに組成されているコンソーシアムが実施する実証試験に参加すること。申し込みも、再エネアグリゲーターによる代行申請が必要です。


補助金額は、太陽光発電が㎾あたり8万円、蓄電池はkWhあたり6.3万円です。ただし、いずれも上限は合計費用の1/3以内。1申請あたりの補助上限額は1億円です。


▲ 再エネ等導入事業の補助率及び補助上限額(出所:SII


▶ 分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業


二つ目は、分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業(DER補助金)です。この補助金も、法人・個人を問わず、実証試験に参加し、リソースアグリゲーターのアグリゲーションに協力することで補助金を受け取れます。


対象の設備は、家庭用・産業用の蓄電池、V2H機器、燃料電池、EMSなど。産業用蓄電池の補助率は1/3以内で、kWhあたり6.3万円です。1申請あたりの上限額は1億円。


本補助金についても、リソースアグリゲーターからの代行申請が必要です。


DER補助金の補助率及び補助上限額(出所:SII)


おさらい! オンサイト/オフサイトPPAのメリット・デメリット



PPAとはPower Purchase Agreementの略で、電力購入契約と訳されます。再生可能エネルギー発電所の事業者が、再エネ電力を求める消費者と契約を交わし、再エネ電力を販売する仕組みです。消費者にとっては、自ら再エネ発電所を建設する手間やリスクを回避し、初期費用ゼロで再エネ電力を購入できるというメリットがあります。


カーボンニュートラルを目指す動きが活発になるなか、再エネ電力を調達する手段として、PPAの需要が高まっていると言えるでしょう。このPPAには、「オンサイトPPA」と「オフサイトPPA」があり、それぞれにメリットとデメリットがありますので、ご紹介します。


▶ オンサイトPPAのメリット・デメリット


オンサイトPPAとは、電力の消費者が、自社施設の敷地内や建物の屋根上に第三者の負担で再エネ設備を設置し、その設備で発電した電力の使用量の対価を設備の所有者に支払うというものです。


電力消費者は、初期費用ゼロで再エネ電力を調達できますし、その価格は通常の電力料金よりも安価になることがほとんど、加えて再エネ賦課金がかからないことで、電気代削減が期待できます。また、送電線を介して電力を供給しないので、託送料金もかからないのです。さらに、消費者は設備を所有しないことから、修理やメンテナンスをする必要もありませんし、貸借対照表に資産計上しなくて済みます。


ただし、太陽光発電などの再エネを設置できるスペースには限りがあるでしょう。また、契約期間が15~20年程度と長く、その間の契約破棄には条件が付くこともあります。


▶ オフサイトPPAのメリット・デメリット


オフサイトPPAとは、電力の消費地からから離れた場所にある再エネ発電所の電力を調達する契約です。発電事業者と消費者が直接契約を結ぶことはできないため、電力小売り会社との三者間契約によって成立します。


オンサイトPPA同様、修理やメンテナンスをせずに再エネ電力を調達できます。加えて、再エネの大量購入を目指せることが大きなメリットと言えるでしょう。自社の敷地面積を気にすることはありません。電力小売り会社から再エネ電力の供給を受けることになりますので、複数の拠点で再エネ電力を使用できます。


デメリットは、やはり契約期間が長い点が挙げられます。また、オンサイトPPAとは違い、送電線を介しての電力供給となるし、再エネ賦課金もかかるので、電気代削減につながらないこともあります。


▶ まずは、オンサイトPPAから検討しよう


初期費用ゼロで再エネ電力を調達したいのであれば、まずはオンサイトPPAから検討しましょう。空いている敷地や屋根上を活用してもまだ十分ではなく、それ以上の再エネ電力が欲しいのであれば、そこでオフサイトPPAに乗り出すことを考えればよいのではないでしょうか。


エネルギー危機に揺れる欧州各国



ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した欧州エネルギー危機が収束する気配はありません。


例えば、イギリスは2022年10月から電気代・ガス代の上限を80%引き上げました。これにより、標準的な世帯の高熱費は、年間で3549ポンド(約60万円)になる見込みです。


この状況を打開すべく首相の座に就いたリズ・トラス氏でしたが、わずか45日での退陣を余儀なくされました。今後、新しい首相が何らかの対策を講じない限り、電気代は上がり続けるものと見られています。


また、長年ロシアの天然ガスに依存してきたドイツは、欧州各国のなかで特に厳しい状況と言えるでしょう。


ドイツには、液化天然ガス(LNG)のターミナルがありません。現在、急ピッチでターミナルの建設を進めていますが、天然ガスのロシア依存を終えるまでにはあと数年はかかる見通しです。ドイツ連邦統計庁によると、ドイツにおける8月のエネルギー価格は前年同月比139%上昇したといいます。


こうした状況下、ドイツ国内では経営危機に陥る企業が続出しています。例えば、トイレットペーパーメーカーのハクレ。1928年創業の歴史ある企業でしたが、今夏のガス代高騰により破産を申請しました。


ドイツエネルギー大手ユニパ―の経営も破綻寸前です。ユニパーは、2021年の売上高が1639億ユーロ(約23兆円)の巨大企業ですが、2022年1~6月期は120億ユーロ(約1兆6800億円)の赤字。ドイツ政府は公的資金を注入し、ユニパーの救済に乗り出す方針です。


これから、電力需要が上がる冬を迎えます。本当の試練はこれから訪れることになるのです。


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