【制度動向】2027年4月から系統用蓄電池の系統連系にJC-STAR★1取得を要件化

➽   概要

経済産業省資源エネルギー庁は2026年10月6日、「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」の改定案を提示し、パブリックコメントの開始を発表しました(募集期限:2026年11月6日)。

改定案の核心は、「IP通信機能を搭載する太陽光発電および蓄電池関連機器に対し、サイバーセキュリティ管理規格『JC-STAR★1』以上の適合ラベル取得製品の使用を接続条件とする」点にあります。


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(出所:資源エネルギー庁)


適用タイミングは「接続契約申込み」の受付日をベースとしており、電圧区分ごとに以下のステップで順次適用されます。

  • 特別高圧・高圧: 2027年4月1日以降の契約申込分から適用

  • 低圧: 2027年10月以降に適用(経過措置あり)

つまり、2027年度以降に新規で系統連系を申請する案件においては、JC-STAR★1を取得していないIP通信機能付き機器(PCS、EMS、BMS、遠隔監視装置、ゲートウェイ等)を採用している場合、系統への接続そのものが認められないリスクが生じます。


➽  背景

近年、電力市場における需給調整やJEPX等の市場取引、さらには出力制御への自動対応などを目的として、系統用蓄電池や再エネ設備は急速にデジタル化・ネットワーク化が進んでいます。

ネットワーク接続による利便性向上や運用の高度化が進む一方、サイバー攻撃の標的となるリスクも高まっています。2024年5月には、国内の太陽光発電用遠隔監視機器(約800台)の脆弱性を突かれ、不正送金の踏み台として悪用される大規模事案が発生しました。

本事例では、当該監視機器自体に系統出力を制御する機能はなかったものの、多数のIoT機器が一斉に乗っ取られ、サイバー犯罪の拠点として悪用された点が重要な教訓となっています。今後、出力制御機能を持つPCSや蓄電池システムが攻撃対象となった場合、電力系統全体へ波及する重大な影響が懸念されます。

こうした安全保障上の課題に対応するため、国として「どの製品が一定以上のセキュリティ基準を満たしているか」を透明化・担保する枠組みとして「JC-STAR制度」の導入が決定されました。


➽  主な適用ルール

対象・ケース

適用方針

新規案件

2027年4月以降の契約申し込み受理分から適用

IP通信機能のない機器

対象外

IP通信機能を有する機器

通信機能を使用しない場合も原則対象

既設設備

継続しようする機器の交換は原則不要

増設・機器更新

対象となる機器には原則適用

※具体的な適用条件や例外措置については、今後の正式な改定内容をご確認ください。


➽  系統用蓄電所事業者への影響

今回の改定により、系統用蓄電所の新規開発や設備更新では、機器の性能・仕様に加え、サイバーセキュリティ要件への適合確認が重要になります。

特に、2027年4月以降に契約申し込みを予定している案件では、PCS・EMSなどの対象機器について、メーカーへの対応状況の確認や設備選定、調達スケジュールへの影響を事前に確認することが推奨されます。


※最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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