今月のトピックス:
➽【同時市場とは】仕組みと必要性について解説
➽【蓄電所事業をトータルサポート】TAOKE ENERGYの優位性
➽【同時市場とは】必要性と仕組みについて解説
同時市場をご存じでしょうか。近年、創設に向けて議論が交わされている同時市場について、その必要性と仕組みを解説します。
■同時市場の必要性
太陽光発電や風力発電など、変動性再生可能エネルギー電源の導入が進むなか、電力市場価格の高騰、調整力不足などの課題が浮かび上がっています。今後、変動性再エネ電源の普及拡大が続けば、調整力の必要量も増加し、需給運用は一層難しくなっていくでしょう。こうした課題を解決するために、同時市場に期待が寄せられています。
同時市場とは、電力の供給量(kWh)と調整力(ΔkW)を「同時」に取引する市場です。現状、kWhの取引はスポット市場や時間前市場で、Δ㎾の取引は需給調整市場でそれぞれ実施されていますが、これを一括して行い、電源を安定的かつ効率的に確保し、需給予測の変化や緊急事態への対応力の向上を図ろうというのです。
例えば、スポット市場では、小売電気事業者は30分単位のブロックで入札を行いますが、1ブロックでも約定しないと、電力量が余っていても全てのブロックで約定は不可となります。あるいは、Δ㎾として確保されていた電源が、実際には不要だと考えられたとき、それを時間前市場に出し直せないという課題もありました。同時市場の創出によって、こうした課題の解決につながると考えられています。
■同時市場の意義
出典:経済産業省
■同時市場の仕組み
入札への参加を望む発電事業者は、ユニット起動日、最低出力コスト、限界費用カーブの3つの情報を登録します。これをThree-Part Offerと呼びます。
小売電気事業者は、購入する分のkWh量と入札価格を指定。その後、翌日の需給予測に基づき、過不足のないように電源を立ち上げ、kWhとΔ㎾を確保します。同時市場後は時間前市場にて、一般送配電事業者が確保した電源のうち、kWhの供出が確定した電源などを時間前市場に投入し、小売電気事業者は追加で必要となった電力量に応じた入札をします。
■同時市場のイメージ
出典:経済産業省
同時市場の導入により、日本の電力市場はより柔軟で効率的なものになることが期待されています。正確な開設時期は決まっていませんが、今後、注視すべきであることは間違いないでしょう。
➽【蓄電所事業をトータルサポート】TAOKE ENERGYの優位性
系統用蓄電所の商機も広がっていくと考えられます。そこで、蓄電所事業に乗り出そうとする方向けに、改めて当社のサービス体制や製品の優位性についてお伝えします。
■PROCESS 01 土地選定
土地選定は蓄電所事業のコストを左右する最も重要なプロセスと言っても過言ではありません。当社は専門のチームを組成し、下記の全てのポイントを考慮に入れた上で土地の選定を行います。
▪土地面積と地目
蓄電池や周辺機器を設置するために十分な広さがあるのか。そもそも、長きにわたって蓄電所事業を運営しても法律上問題がない土地なのか。当たり前ではありますが、確実にチェックします。
▪設備の導入費用
地盤が緩ければ整地のために追加費用が発生しますし、細い道の先にある土地であれば重機は使えず、別の方法を考える必要があります。導入にあたってどの程度の費用が発生するかを細かく割り出します。
▪自然災害リスク
ハザードマップを参照しながら自然災害リスクを算定します。近年は、太陽光発電所や蓄電所で事故も発生しているため、慎重な調査を大切にしています。
▪電力系統の空き容量・工事費負担金
電力系統の空きがなかったり、脆弱な系統を増強しなければならなかったりすると、どうしても初期費用がかさんでしまいます。これも十分に考えなければなりません。
▪近隣への二次被害リスク・騒音対策
カーボンニュートラルを実現するために蓄電池の導入は不可欠ですが、だからといって周囲に暮らす皆さまの理解を得られなければ意味がありません。騒音をはじめ、周囲に迷惑がかからぬよう十分な対策ができるかも外せないポイントです。
■PROCESS 02 電力申請
適切な用地を選んだ後、当社の電力申請チームが敷地面積や立地条件に応じて最適な電圧区分(高圧・特別高圧)を判断します。その後、お客さまとの事前相談を設定し、系統接続の検討申し込み協議を迅速に進めます。
当社はこれまでに1000件以上の電力申請実績を誇り、地域ごとの接続ルールや規制にも精通しています。過去の案件で培った豊富なノウハウを生かし、申請書類の作成や電力会社との交渉を円滑に進め、最短での事業開始を実現します。
■PROCESS 03 行政調査
蓄電所の建設に際しては、自治体の開発許可や環境アセスメントの要件を満たす必要があります。当社は、デスクトップリサーチ(公的データ・法規制の確認)だけでなく、実地調査(フィールドリサーチ)を徹底し、潜在的なリスクを事前に特定・排除します。具体的には、以下の点を重点的に調査します。
▪都市計画法・農地法・森林法等の制約
▪送電線・変電所までの距離と接続コスト
▪周辺環境への影響(騒音・景観・振動など)
▪土地の地盤状況や災害リスク(液状化、浸水、土砂崩れの恐れ)
これにより、後の手続きでの想定外の時間・コストの増大を防ぎます。
■PROCESS 04 造成
蓄電所を設置するためには、土地の地目や地盤に応じた適切な造成工事が不可欠です。当社は、以下の工程を含む造成計画を立案し、造成工事に臨みます。
▪地形に応じた整地・切土・盛土工事
▪山林・原野の開発許可手続きの代行
▪排水・雨水対策の実施
コスト・スケジュール管理にも精通している施工管理チームが、最適な施工計画を提案します。
■PROCESS 05 電気工事
蓄電所の系統連系をスムーズに進めるために電力会社と密な技術協議を行い、適切な設計・工事を実施します。需給調整市場の取引で必要となる「簡易指令システム」または「専用線オンライン」の回線接続工事もこの段階で行います。主な施工内容は下記の通りです。
▪変電設備の設置・高圧機器の据付
▪送電線接続工事(架空線・地中線)
▪需給調整市場向け制御システムの導入(簡易指令システムや専用線オンライン)
■PROCESS 06 設備調達
当社の蓄電設備は、高い品質・安全性はもちろん、パッケージ化してあるコンパクトな製品です。最も重い設備でも3.7t以下であり、7t車での配送が可能(コンテナのオプションもあり)。その分、幅員制限や重量制限のある道路を迂回する必要がなく、物流コストを大幅に削減します。
パッケージ化は施工時間の短縮にも寄与します。小型クレーンでの作業が実現し、複雑な配線作業はありません。
■PROCESS 07 系統連系
当社は、蓄電所開発の全プロセスを統合的に管理し、電力会社との接続調整を円滑に進めることで、予定通りの系統連系を実現します。系統連系までに時間を要すると、市場参入の遅れによる機会損失に直結します。当社は、電力市場の動向を踏まえた連系スケジュールを立案し、最短での収益化をサポートします。
■PROCESS 08 市場運用
蓄電池を最大限に活用するためには、電力市場での適切な運用が欠かせません。当社は、設備納入後も以下の施策を通じて、お客さまの収益最大化を支援します。
▪最も収益性の高い一次調整力への対応(即応性の高い制御システムを活用)
▪最適なアグリゲーターとのマッチング支援(複数の電力市場オプションを提供)
▪市場退出リスクの軽減策(ペナルティ回避策の提案)
近年注目を集める需給調整市場や長期脱炭素電源オークション、同時市場の動向を踏まえた運用最適化を行うことで、蓄電所の資産価値を最大化し、安定的な収益確保を実現します。
以上、系統用蓄電所事業を支援する当社の強みについてご紹介しました。当社は、蓄電池開発の申請から運用まで一貫したサポート体制を確立し、スムーズな市場参入と収益最大化を支援します。長年の経験と豊富な実績に基づく最適なソリューションには大きな自信を持っていますので、ご興味がおありの方はお気軽にご相談ください。
※最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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