今月のトピックス:
➽【2025年度最新版】蓄電池関連の補助金情報まとめ
➽【需給調整市場の制度変更】2026年度から全商品が前日取引へ
➽【2025年度最新版】蓄電池関連の補助金情報まとめ
新年度がスタートしました。今回は、蓄電池システムの導入に際して活用可能な補助金の情報をまとめました。ぜひ、参考にしてください。
■再生可能エネルギー電源併設型蓄電システム導入支援事業
本補助金は、再生可能エネルギー設備へ蓄電池システムを併設する場合に利用できる補助金です。補助金額は設計、設備、工事にかかる費用の1/2~1/3。上限はありません。
対象となるのは出力1.5MW、容量5MWh以上の蓄電池システムであり、(Ⅰ)FIP認定型、(Ⅱ)市場等取引型、(Ⅲ)オフサイトPPA型のいずれか。(Ⅰ)はFIP認定を受けて発電事業を行うもの、(Ⅱ)はアグリゲーターを介して卸電力市場や需給調整市場などへ参画するもの、(Ⅲ)は小売電気事業者を通じて需要家との間にオフサイトPPA契約を締結するものです。自家消費やオンサイトPPA、FIT認定設備などは補助の対象外。(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれであっても、オンライン制御に対応させた上で、出力抑制が起きた際は蓄電池に充電し、需給ひっ迫時には蓄電システムから放電して逆長流しなければなりません。
本補助事業の執行団体であるSII(環境共創イニシアチブ)は、公募期間中に締め切りを2度設け、その締め切りごとに審査を実施します。1次締め切りは5月30日、2次締め切りは7月18日。それぞれ12時必着です。
再生可能エネルギー電源併設型蓄電システム導入支援事業の概要
出典:SII
■業務産業用蓄電システム導入支援事業
本補助金は、高圧以上の需要側(工場、ビルなど)に容量20kWh以上の蓄電池システムを設置するときに利用できます。ただし、設計費、設備費、工事費の合計金額が12万円/kWh以下でないといけません。また、事業者は、下記2パターンのうちのいずれかで申請を行います。
≫アグリ型/蓄電池アグリゲーターとDR契約を行い、蓄電池アグリゲーターが導入する蓄電システムを遠隔制御や制御指示等を行うパターン
≫小売型/小売電気事業者が提供するDRメニューに加入し、電力需給をコントロールするパターン
業務産業用蓄電システム導入支援事業のスキーム
出典:SII
補助金額は、下記①~③のうちで最も低い金額です。
① 3.8万円×蓄電容量
② 設計費、設備費、工事費の合計金額×1/3
③ 3億円
本補助金の公募は3月から始まり、10月31日までです。
■再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業
最後は、東京都の「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」です。都内に本店や支店を構える法人が、東京電力管内で1MWの系統用蓄電池を導入する際に活用できます。
補助金額は、設計・設備・工事に伴う費用の2/3以内で、上限は20億円。2025年度の申請受付期間は9月1日~30日です。
本補助金は2024年度から2030年度まで実施する予定で、今年度の予算総額は130億円。ただし、補助金の申請は2028年度までです。
再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業の概要
出典:東京都
以上、蓄電池システム関連の補助金を紹介してきました。上記で紹介してきたもの以外にも活用可能な補助金はあります。
例えば、「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」。これは系統用蓄電池の導入に伴う費用の1/3~2/3を補助するというもの。昨年度に引き続き、2025年度も活用できる見込みです。経済産業省が実施に向け現在執行団体の公募をしている最中です。
➽【需給調整市場の制度変更】2026年度から全商品が前日取引へ
需給調整市場の全面運開から1年が経過しました。当初、全商品で応札不足が続いていたため、2024年度の夏から募集量の見直しが行われ、結果として三次調整力②は効率的な調達がうまくいき、応札不足はある程度解消しました。
ただ、一次~三次①は依然として応札不足が続いています。今後も、応札不足解消に向けた制度変更は続く予定であり、そのうちの最も大きな変更は2026年度から始まる全商品の前日取引化です。
現状、三次②を除く商品は、週間調達といって1週間分を一度に取引していますが、2026年度以降は全て三次②と同じ前日取引となります。応札側にしてみれば、1週間の予定を立てるよりも前日取引の方が負担は減るので、その分応札量の増加が見込めるでしょう。
需給調整市場の商品導入スケジュール
出典:電力広域的運営推進機関
応札側にとっては需給調整市場へ参加しやすくなったと言えなくはないものの、依然として高いハードルが残っています。例えば、一次調整力の商品要件は特に厳しく、応動時間は10秒以内と決まっていますが(今年度より30秒以内に変更)、実際のテストでは数秒以内でないと運用は難しいと言えます。商品要件を満たせばそれでよしではなく、実際の運用が問題なく行えるか。それが極めて重要です。
当社は2025年1月にて納品済みの某蓄電所案件が大手電力会社系列のアグリゲーターと提携して、一次調整力、三次調整力②を中心に総合試験を行い、高い精度の評価を頂きました。
一次調整力への対応を済ませている蓄電池メーカー・インテグレータはそこまで多くありません。技術力、収益性の観点から当社は圧倒的な優位性を持っていると自負しています。需給調整市場への参入に興味をお持ちの方はぜひご相談ください。
※最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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